2009年01月19日

カリグラフィー展@スノドカフェ

今読んでいる本にこんなことが書かれていた。
詩人リルケがドイツ人に向かって「薔薇」という字を見せて「これはある花の名前をあらわす日本の文字だが何を指しているのか」と聞くと、ほとんどの人が”Rosen(薔薇)”と答えたという。
僕が日本人だから深く頷いてしまったのかもしれないが、日本人がたとえば英語を知らずに"Rose"と聞かれて花の名前を当てることよりもずっと正解の確率は高そうです。


カリグラフィー展@スノドカフェスノドカフェで土曜日から火曜日までカリグラフィーの講師でもある紅林さんのカリグラフィー展が開催されています。
壁の飾ってある作品を見ているとアルファベットは象形文字としての漢字に憧れがあるのかなってふと思いました。
何でもビジュアルとしてはっきりさせたい西洋文明にとってアルファベットは合理的なのかもしれませんが、それゆえに失ってしまったキャラクターを探しているようにも見えます。
もちろん意匠へのこだわりが多くの飾り文字を生み出してきたのでしょう。確かに様々な美しい文字は地の上に奇麗に配置されバランスを創り出しています。そこには西洋的な美を強く感じます。
それでも作品はインクに墨を混ぜて微妙な濃淡を表現したり、わざとラインが曲がっていたり、地の意匠が和を感じさせる円を使っていたりして、規則的な中にも日本的な情緒を感じとることもできます。象形文字=絵画に向かっているとも言えるかも。

一般的にはカリグラフィーは結婚式のウエルカムボードの文字といった意匠程度の印象に過ぎなかったのですが、これらの作品を見ていると、しっかり美術作品として存在できるということが分かりました。
先入観はダメですね。反省<(_ _)>

広義のカリグラフィーとはフリーハンドで即興的に書くことだそうです。ということはリズムが結構大切なのかも。
リズムと言えば、昔の楽譜は当然手書き。有名な曲は楽譜も美しいと聞いたことがあります。確かに素人目としても整然と音符が並んだ楽譜はカリグラフィー作品としても一級品であるように感じます。

そういえばこの前の横トリで赤レンガ倉庫の会場で楽譜の作品があったなあ。
いや、楽譜でなかったかな? ? ?
何だったかなあれ?(↓)

カリグラフィー展@スノドカフェ




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Posted by 柚木康裕 at 06:30│Comments(7)アート・美術
この記事へのコメント
もしかしてそれはネウマ譜では…?
確かに、昔の楽譜とカリグラフィーって似ていますね。
(昔サティーの詩集に載っていた直筆譜を見た時も詩と同化していて
視覚的にもとても美しかったです)
今日明日、お邪魔できれば伺いますね。
Posted by らいぞう at 2009年01月19日 09:57
ご無沙汰しております。
リルケの小話、大変面白く読みました!
薔薇にしろROSEにしろ、もはや象形の意味がこびりついた今となっては分からないですよね。。
いっそ、アラビア語とか、慣れない言語で試すのも面白いかも、と思いました。

لوتس
وارتفع
أقحوان

さて、どれが薔薇でしょう~!?
あれ、薔薇って中東あたりでも生産されてましたよね。。?気のせいかな。
正解はgoogle翻訳で!

ではまたいずれ!
Posted by けん at 2009年01月19日 17:53
> らいぞう さん

書き込みありがとう。
サティの楽譜もポエム的な言葉が踊ってましたね。
楽譜を見てるだけでもジムノペディの音が漂ってくるようです。(言い過ぎか。笑)
Posted by (ユノキ) at 2009年01月19日 18:05
> けん くん

お久しぶり〜。
書き込みありがとう。

アラビア語ね・・・。
難しい・・・。笑

なんか彼岸花に見えてきた。笑

وارتفع
〜|〜
_|_

こんな感じ。どうかな?
薔薇に見える? 笑

しばらく前から「見る」「見える」といったことをアートを通して掘り下げていきたいなあと思っています。
そこでキーワードとして遠近法をもう一度しっかり考えてくべきではなかろうか思いました。とくに現代は「遠近法2.0」ともいうべき新たな表象が広がっているのではないかと考えています。うまく説明出来ないけどじっくり取り組んでいくつもり。

あ、そうだ。
今週六本木でライブでしょ。見に行きたいけど予定があり行けないのでとても残念です。時間が都合付くときは出掛けますのでその時を楽しみにしていますね。
静岡でもライブやるチャンスあるといいな〜。
企画してもいいかな?笑

ではまたね〜。
Posted by (ユノキ/ヤスヒロ)(ユノキ/ヤスヒロ) at 2009年01月19日 18:34
ありがとうございます!
カリグラフィーを10年やっていてもまだまだ奥が深いです。
象形文字なんかもすごく興味があって、そういう言葉を超えた文字って素敵だなあ・・・と思います。
個展もあと1日。よろしくお願いいたしますm(__)m
Posted by rossa at 2009年01月19日 22:35
手を合わせて拝んでいる美しい女性に見えます!

遠近法2.0また教えてください。
見る、見られる、見える、ともども。

KMIXのホームページ上からオンラインラジオが聴けると思ったんですが、
無理そうです。断念しました。。

また、連絡します!
Posted by けん at 2009年01月20日 14:33
ほんとだね!
とても美し〜。

資格優位の時代・・・、じゃなかった
視覚優位の時代をどう生きるか。
新しいタブロー(=モニター)から離れられない僕たちの取るべき態度とは。
遠近法2.0はネット時代の新しいイリュージョンだと思うよ。

ラジオ、チャレンジしてくれてありがとう。
Posted by (ユノキ) at 2009年01月20日 16:30
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カリグラフィー展@スノドカフェ
    コメント(7)