2009年03月03日

久しぶりの若冲

久しぶりの若冲
伝 李公麟「虎図」(一部)

先日ちょっと仕事を抜け出して近くにある静岡県美の企画展「朝鮮王朝の絵画と日本」に出掛けた。
伊藤若冲の樹下鳥獣図屏風も出展されているとのことだったので、久しぶりに観れるのも楽しみでした。前回観たのは2年前?いやそれ以上か。ちょうどプライスコレクションが東京で開催されていた時で結構盛り上がっていたのを思い出します。

で、平日の小雨ぱらつく4時近く。
館内はこれ以上鑑賞するのに良い条件はないというほどの状況。
つまりほどんど人がいないということです・・・。(> <;)

若冲も独り占め。ですが、肝心の屏風は右隻しかないのですよ。右隻しか。
ちょっと六曲一双なのにいいのですか。片方しか展示しなくて!とか思いますがまあいいでしょう。とりあえず観れたし。笑
ポップだし、凝ってるし、文句無しに楽しい絵。

でも何で升目描きなんだろう?升目にして一つ一つのに陰影を付けている意味は?
升目自体には遠近法的なイリュージョンがあるのですが動物の描き方自体はフラットなんです。モチーフ自体は日本画的。でも升目は洋画的。???以外と良く解らない絵かも。改めて観ると。

白象の額に丹下左膳ばりのキズがあったんだな〜。今気が付いたってことは前回何を観ていたんだってことですよ。笑
屏風の作品はほかにもありましたが、改めて屏風って面白いメディアだと感じます。固定された絵画があの折りたたみがあることによって動きが生まれます。積極的にその楽しさを感じさせる作品もありました。

若冲は虎の絵を描いていますがその元絵となった(であろう)絵が観れたのは収穫でした。(上の画像です)
彼の作品はありませんが資料として絵のコピーがありました。かなり正確に模写しています。
それにしても虎の絵は数点ありましたがどれも目が異様に大きく漫画的なのです。フライスコレクションの時もそうでしたが、これはかなり笑えます。これは若冲に限ってのことではなくこの時代の人はほぼこのような虎を描いているように感じます。これって本物の虎を見てないからでしょうか?みんな絵を模写したからでしょうかね?
何か微笑ましい感じ。

常設展(収蔵品展)は余白の美と題してリ・ウファン、ユン・ヒチャン、イ・ブルの作品を展示しています。
もちろんこれはこれで侮れない。

今、結構美味しいかも県美。

話しは変わります。
先日のブログで村上春樹のスピーチのことをとりあげましたが、スピーチ全文が載ってましたのでリンク貼っておきます。
けっして長くないスピーチですが興味深い内容だと思います。
時間あれば是非読んでみてください。

村上春樹さん:イスラエルの文学賞「エルサレム賞」授賞式・記念講演全文/上
村上春樹さん:イスラエルの文学賞「エルサレム賞」授賞式・記念講演全文/下
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Posted by 柚木康裕 at 23:10│Comments(4)アート・美術
この記事へのコメント
3月一杯だから行けるだろう、とか言ってると、あっという間なんですよねぇ。
行かなきゃ。

県美には江戸絵画の専門家がいらっしゃるので是非スノドでレクチャーをお願いして下さい!!


しかし、屏風も襖も面白いですね。

去年も今年も、正月は応挙の雪松図屏風を観ましたが、あれを伸ばしてしまったら全然違うだろうなぁ、と思いつつ、てことは折りたたんだ状態を想定して描いているのか、と考えるとまたすごいなぁ、と。

確かにマンガっぽい虎は多いですね。
Posted by コニタ at 2009年03月03日 23:33
> コニタ さん

早速のコメントありがとうございます。

そうなんですよね、まだ時間あるとかって思うとあっという間に会期終了・・。ってこと多いですね。

江戸ものいいですね。是非その時は絡んでください!
まじめに企画立てます。笑

屏風や襖に描くって日本人の知恵でしょうか。
とてもスマートな趣きですね。
Posted by (ユノキ) at 2009年03月03日 23:49
伊藤若冲の樹下鳥獣図屏風、見るのは大好きです。
時空を越えて、エナジー、パワーを感じます。
でも、あああああああああああっ!語れない・・・(^-^;)
正直、それほど詳しくないっつうことです。
でも、立派な絵・・・偉大です。壮大です。
ほんとに生きてますよね、すべてが。


ということで、村上春樹さんの全文はちょっと前に読みました。
彼の言いたいこと、言ってること、実はとても奥が深く・・・
でもきちんと言いたいことを伝えていると思います。
その伝えられた側の受け止め方はいろいろあって賛否両論あった
ようですが・・・
普段メディアに出ない彼のコメントは、大きな波紋もあったようですが、
大きな感動もありました。
前よりもかなり好きになりました。やはり世界で一番名の知れた日本人の
著者であるっていう意味がわかりました。


Candy


追伸:この場でごめんなさい。先日はどうもでした。
20日の上映会(「ガイアシンフォニー」)、お越しいただける方、やはりチラシ下部にある市役所担当部署に名前と人数事前予約していただけると非常に嬉しいです。身近な方で行くうううううううううって言う方がいらっしゃいましたら、そのようにお伝えください。(すみません)思った以上に好評で、人数把握をしておきたいとのことです。もちろん自分に言ってくださってもOKです。当日自分はチケットもぎってますわぁ~(笑)
北海道は帯広からもファンが鑑賞にくるとか・・・すごいなぁ~。
自分企画の上映会も少しずつですが、地味に進んでいます。またそのときはよろしくです。<(_ _)>
Posted by Candy at 2009年03月04日 11:30
> Candy さん

酔狂とは若冲のような人のことをいうのでしょうね。
とても魅力的です。笑
村上春樹氏はさすがに深いですね。
いろいろ考えさせられます。

20日のガイヤはちょっとスケジュール的にどうかな・・。
観たいのはやまやまですが。
もぎりがんばってくださいね〜。
Posted by (ユノキ) at 2009年03月04日 17:35
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