2010年04月08日

「New コレ しずおか 〜新収蔵品と静岡ゆかりの美術」

「New コレ しずおか 〜新収蔵品と静岡ゆかりの美術」

静岡県美リニューアル第一弾「伊藤若冲アナザーワールド」は10日から開催ですが、一足早く収蔵品展が始まりました。
用事を兼ねて改修後初の県美へ出かけてみた。

静岡県立美術館の桜も真っ盛り。
風に舞った花びらが駐車場を覆っていて情緒的。
そう言えば週末は花見だったかな。
それまで散らずにいてくれるといいけど。

「New コレ しずおか 〜新収蔵品と静岡ゆかりの美術」
タイトル通りに新しく購入した作品や寄贈された作品などのお披露目と静岡で生まれ育った人たちの作品を展示。
でもその2つのテーマの他にもうひとつテーマがあってそれは「昭和40年代生まれの作家たち」として紹介されていた。その中には現在人気の現代美術家も含まれていてなかなか良いまとまりを見せていた。特に小谷元彦さんと加藤泉さんの作品が見られたのは収穫だった。風景ルルルの時にも展示されていた小西真奈さんの「浄土2」も出品されてた。改めて見ても良い作品だと思う。あと石田徹也さんの作品も2点。

会場入り口のカウンターで新収蔵品目録を頂いた。
平成21年度購入とされていたのは3点の屏風のみ。あとはすべて寄贈だ。
昨今の財政状態からすれば3点購入出来ただけでもすごいことなのでは、と推測する。ほぼ予算などないとはよく耳にする話なので。
3点ともに江戸期に制作されたもの。個人的には「武蔵野図屏風」が気に入った。作者は不明となっている。萩、菊、桔梗といった秋の花が描かれたそれを桜の季節にお披露目というのも可笑しいが、遠景に富士の見えるその風景は野にある花の配置がよいリズムを生み出し、郷愁の中にある躍動感が奥ゆかしく表現されているように感じた。
そう言えば先日上野で見た長谷川等伯の屏風図にもこのようなリズムを感じたことを思い出す。自然の形態をグラフィカルに反復させてあるリズムを生む。そのリズムが何とも楽しい。まるで当時の瑞々しいライブ感が視覚化されているような感じ。

この「武蔵野図屏風」は修繕を経て展示されていることも紹介されていた。
名も分からない人によって描かれたこの画が現在に生きる人によって甦る。とてもロマンチックな物語ですが、実際に修繕する人たちはそれどころではなく真剣でしょう。(笑)
こうした多くのプロたちによって、時を経た作品も自由気ままに鑑賞できると改めて気が付く。ホント有り難い。
今回の展示では、こうした修繕の様子が間近で見られるような企画があるそうです。たとえばこんな企画が・・。
静岡県立美術館 実技室プログラム「技法セミナー」

いよいよ週末より若冲が始まります。
そして来週の週末はスノドカフェで若冲イベント。
こちらもどうぞお楽しみに。

関連サイト
静岡県立美術館HP
オルタナティブスペース・スノドカフェ
「アートテラー・とに〜、伊藤若冲を語る。」


「New コレ しずおか 〜新収蔵品と静岡ゆかりの美術」



にほんブログ村 美術ブログ 現代美術へ
ポチッと応援よろしくおねがいします〜。
同じカテゴリー(アート・美術)の記事画像
波多野里香展
画集「持塚三樹 Sun Day」
風景美術館でかんがえたこと
持塚三樹展 Sun Day @ヴァンジ彫刻庭園美術館
佐藤浩司郎「DISTORTION」@Gallery PSYS
清水現代アート研究会Vol.5
同じカテゴリー(アート・美術)の記事
 波多野里香展 (2014-04-16 18:17)
 画集「持塚三樹 Sun Day」 (2013-01-04 22:06)
 風景美術館でかんがえたこと (2012-09-24 19:15)
 持塚三樹展 Sun Day @ヴァンジ彫刻庭園美術館 (2012-09-23 16:58)
 佐藤浩司郎「DISTORTION」@Gallery PSYS (2012-09-22 12:27)
 清水現代アート研究会Vol.5 (2012-09-21 18:33)

Posted by 柚木康裕 at 19:12│Comments(0)アート・美術
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
「New コレ しずおか 〜新収蔵品と静岡ゆかりの美術」
    コメント(0)