2012年08月24日

名波一己 油彩展

名波一己

清水区にあるフェルケール博物館で現在開催中の名波一己氏の絵画展に出掛けた。

 掛川市で行われている「遠州横須賀街道ちっちゃな文化展」で初めて見たときの印象は今でも良く憶えている。画面いっぱいに丁寧に描き込まれた水面は本人の寡黙さそのままに控えめだが確かな存在感を示していた。今時珍しい絵画らしい絵画だが、古くささを感じることはない。

 技術がなければこのような作品を描くことは不可能だが、その巧みさよりも描かれているものに目がいってしまうところがいい。水面に広がる波紋に注意が引き寄せられる。その後波紋の広がりと共に視線が動いていく。水面に映る世界。その世界は波紋のせいで頼りなく揺らめき、おぼろげな存在となる。気が付けばぼんやりと眺めている自分がいる。

 水面を描く作家といえばモネということになるだろうか。モネはそこに時間の経過を表現していったが、名波氏の視点は少し違うように感じる。モネは写実から離れることにより、絵画の新しい可能性を見つけていったが、彼の絵は写実的でリアリスティックな絵画だ。

 フェルケール博物館は1階通路にある壁を地元若手作家に提供し作品を紹介している。(オペラシティ アートギャラリーのproject Nのようなコンセプト?)
名波氏は5作品を展示していた。どれも見応えのある作品である。また時間があれば出掛けてみたい。


名波一己

名波一己




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Posted by 柚木康裕 at 01:34│Comments(0)アート・美術
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