2008年09月11日

「風景ルルル」考(その2)

subtitle [ 現代アートって?]

最近よく現代アートだの現代美術だのと耳にすることが増えていますが(そんなことない?まあそう言わずに。笑)、そもそも現代アート/現代美術(以下現代アートに統一して表記します)とは、アート/美術(以下アートと表記)とどのように違うのでしょうか。

ふむ、

むむむ・・・。

僕もよくわかない・・・<(_ _)>

と、言いますか。現代アートと言わず、アートも定かではない。
もっとも分からないのはそれだけでなく、
たとえば社会とか。男女とか。善悪とか。はたまた、生きる。とか?
じつはどれもよく分からないのです。

それでもそんな難題の中、たくましく生きているわけですから、今は分からなくても良しとしましょう。(笑)
きっと考えていればその内にいろんな答えが見るかる。はずです。

だから現代アートを考えたり、観たりするのも日常として接する気持ちで構わないと思います。散歩するみたいにアートがあってもよいのではないでしょうかね。

まあ、それでも現代アートってさっぱり分からないと言うのも心もとないので、たとえば現代アートの大人気ギャラリスト小山登美夫さんの言葉を引用してみます。

現代アートとは「現代を生きるわたしたちのアート」のことです。
                     現代アートビジネス。アスキー新書)

・・・。

余計に分からない?。(^ ^ ;)

まあ、今は分からなくても大丈夫。きっと・・・。

そんな(どんな?)現代アートが6年ぶりに静岡県立美術館(以下県美)にやってきます。
それが「風景ルルル」です。

この展覧会を通して現代アートって何?も考えていきたいと思います。
ぜひ皆様の貴重なご意見もお聞かせください。<(_ _)>



「風景ルルル」は個展(たとえばピカソ展とかセザンヌ展とか)ではなく複数のアーティストで構成される企画展です。企画展にもどこからか巡回してくるのもありますが、今回の企画は県美のオリジナル企画!(すごいぞ!県美!!)
企画を立ち上げた学芸員の方が企画の趣旨にそった人選をして出品作家が決まります。(本当は選びたかったけど都合が付かなかったことなんかもあることでしょう。そんな裏話も機会があったら聞いてみたい。笑)
この展覧会は現代アートの企画展ですので作家は皆現代アート作家ということになります。(近代でもモダンの作家でも現代アートに関わっている(文脈的に)と見なすことは出来ますので、考え方によってはどんなアーティストでも参加可能とも言える。ただしこの場合は展示物があったとしてもその他の作品との違いが明記されている。はずです)

現代アートとは、と漠然と考えても良い答えも浮かんでこないので、ここはまず出展作家のプロフィールでも眺めてみたいと思います。(企画の趣旨を理解するのに誰を選んでいるかを調べるのも大事でしょう)
(順番は県美の三つ折りチラシに記載された順番通り・敬称略)

 鈴木理策/すずきりさく(1963年〜)和歌山県生まれ
  出展作品のスタイル【写真】
  主な受賞歴 2000年第25回木村伊兵衛写真賞受賞

 ブライアン・アルフレッド(1974年〜)アメリカ
  出展作品のスタイル【絵画・コラージュ・映像】
  学歴 エール大学 MFA(美術学修士)修了

 内海聖史/うちうみさとし(1977年〜)茨城県生まれ
  出展作品のスタイル【絵画】
  2004年 MOTアニュアル(東京都現代美術館)
  2007年 siseido art egg(資生堂ギャラリー)に選出

 柳澤顕/やなぎさわあきら(1980年〜)群馬県生まれ
  出展作品のスタイル【絵画】
  現在 京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)
  課程油画領域在籍
  
 高木紗恵子/たかぎさえこ(1980年〜)京都府生まれ
  出展作品のスタイル【絵画】
  主な受賞歴 VOCA展2006 佳作賞・府中市美術館賞

 小西真奈/こにしまな(1968年〜)東京都生まれ
  出展作品のスタイル【絵画】
  主な受賞歴 VOCA展2006 大賞

 照屋勇賢/てるやゆうけん(1973年~)沖縄県生まれ
  出展作品のスタイル【絵画】
  主な受賞歴 VOCA展2002 奨励賞

 佐々木加奈子/ささきかなこ(1976年~)宮城県生まれ
  出展作品のスタイル【写真】
  2006年文化庁新進芸術家海外留学制度によりロンドンの
  ロイヤル・カレッジ・オブ・アートに留学


と、このようなラインナップ。
現代アートファンならば、期待の高まる人選だと思いますがいかがでしょうか。皆さん最近活躍しておられて、様々な媒体でお目にかかります。
残念ながら静岡県出身者がいませんでしたね。(静岡つながりで写真の佐内さんを入れてくれると嬉しいのですが。少し趣旨と外れるか・・。断片的かもしれないけど、ゆるい風景ではないな。彼のは)

これを見てまず気が付くのがすべて現在活動している作家です。物故した人は1人も含まれていません。
年齢にすると28歳〜45歳。率直な印象としては「若い」でしょう。
(でも実は過去のアーティストと比べても年齢的に若すぎることは決してないのですが。でも何故でしょう。彼らは若く感じます)

現在活動している作家がつくり出す作品 = 現代アート

となるのでしょうか。
もっとも現在活動している作家がみな現代アート作家かと言うと当然そうではない。

現代アート =< 現在活動している作家がつくり出す作品

こんな感じかな。
少なくても現代に生きているっていることには間違いなさそう。
今活動しているたくさんの作家のつくる、現代のアートと現代アートの違いはたとえば現代と現代性の違いのように考えられますがどうでしょうか。この現代性(今まさに起こっているという感覚)を共有していくことが現代アートを知る/楽しむことへの第一歩となるように感じます。

それではちょっと長くなりましたので、今日はこの辺で。
読んで頂きありがとうございます。

「風景ルルル」考 その3 に続きます。

back number 「風景ルルル」考 >> その1

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高木紗恵子〜わたしのソトガワとのかかわり方
 風景ルルル
日時  11月3日(金)~12月21日(日)
    10:00~17:30
    (展示室への入室は17:00まで)
休館日 毎週月曜日
    (ただし11/3→11/4、11/24→11/25)
入場料 一般 800円
    高校・大学・70歳以上 400円
    中学生以下 無料
場所  静岡県立美術館

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Posted by 柚木康裕 at 12:25│Comments(0)アート・美術
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