2008年09月04日

「風景ルルル」考(その1)

”当館では6年ぶりとなる現代美術の企画展。絵画だけでなく、写真、映像、インスタレーションの作品を交えて紹介します。「風景」をコレクションの柱とする美術館が選んだ、8人の同時代の表現者たちの、フレッシュな感性に触れてみてください。”
                          静岡県立美術館発行のチラシより抜粋

たしか6年前の企画展は「今、ここのある風景」だったような。
大岩オスカール氏とか日高理恵子さんとかの展示があったと記憶してますが。
あれからもう6年・・・。歳をとるわけだ。(> <)

照屋勇賢そう、書かれているとおり「風景ルルル」展とは現代美術の企画展なのです。
現代美術知ってますか?東京ではすっかりブームの様子なのですが、静岡にもそろそろ飛び火してくる気配を感じます。
美術の前に現代という言葉が付いているのですから、一般的に浸透している「美術」と何らかの違いがあると推測出来ます。これは簡単には説明できるものでもないので、ここではひとまずスルーします。(後々じっくり考えていきたいと思います)

県美で6年ぶり。随分久しぶりのような気がします。エジプトなどの古代もの(必ずミイラ付き)は1〜2年に1度くらいの頻度で開催されます。それに比べ6年です。なぜそれほどのあいだ現代美術展がなかったのでしょうか。(現代美術作品が展示されたことはありましたが企画として大規模なものが6年ぶり)

そこから「風景ルルル」考を始めてみたいと思います。



まず、なぜそれほどの期間開催されなかったのかと推測すると、6年前の「今、ここのある風景」展が振るわなかったために「現代美術では人は呼べない」と無慈悲にも断罪された可能性が非常に高い。(邪推かな?笑)
僕はそのころ美術に興味がどんどん向かっていたので勇んで出掛けていったのを憶えています。オスカールさんの絵とか結構感動して、満足度高かったですけどね。
でもまあ仕方ありません。客の呼べない興行は打てないものです。それは官も民も同じでしょう。

この一件がトラウマとなり、現代美術をやろうという機運も気運も起こらないまま時が過ぎていく。それに比べて古代展(ミイラ付き)は開催のたび好調に集客し、それがまた現代美術企画のコンプレックスになっていく。
そうして二重の十字架を背負い込んでしまったわけです。(勝手な推測です。あしからず。笑)

そんなダブルのトラウマを抱かえつつ月日は流れ、時は平成20年!

「えっ、県美で現代美術!?」「ほんと、やるの?」
口コミでその知らせを聞いた時の僕の第一声だった。

機は熟したのか。
トラウマをぬぐい去るためにいよいよ立ち上がったんだ。(だから勝手な推測ですよ)
少なくてもチラシに6年ぶりと自ら記しているのだから苦しかった過去への決別を宣言しているのだ。そう言った意味でこれは県美のマニュフェストである。(本当かな?まあ、いい。勢いで書いてしまった・・)

でも何となく理解出来る。
今、この時期にやるってことが。

6年ぶりの現代美術展。
その間、だれも言わなかったあるいは言えなかった企画を立ち上げた「人」が現れたということ。
きっと現代美術が大好きで情熱を持った人に違いない。
集客が困難なのは今もそれほど変わらないと思う。それに挑戦するのだから並の展覧会にするわけがない。もちろん参加する作家や広告をディレクションするアーティストなどのチョイスからも気合いは十分に感じます。これはマジだなって。

The probability of success is difficult to estimate;
but if we never do, the chance of success is zero.
(*1)

美術ファンとしてその勇気に感謝。<(_ _)>
そして少しでも宣伝になればとブログでお知らせしていこうと思います。
(これを読んで行かなくなったと言われるのは避けたい・・。汗)

「風景ルルル」考(その2)に続きます。

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高木紗恵子〜わたしのソトガワとのかかわり方
 風景ルルル
日時  11月3日(金)~12月21日(日)
    10:00~17:30
    (展示室への入室は17:00まで)
休館日 毎週月曜日
    (ただし11/3→11/4、11/24→11/25)
入場料 一般 800円
    高校・大学・70歳以上 400円
    中学生以下 無料
場所  静岡県立美術館

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(*1)地球外文明探査SEITのP・モリソン博士たちの論文の最後に書かれた言葉を引用。
実際は do のところは search です。


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Posted by 柚木康裕 at 12:33│Comments(0)アート・美術
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