2012年09月15日

テーマパークその1地獄篇

 芸術作品というものは、創作者本人の名前が明記されているものだが、制作に本人以外が関わっていることはよくある。現代アートに限ればその傾向は顕著だろう。しかしキャプションに関係者が記載されていることは少ない。作品はあくまでも芸術家に帰属する。

 その点、演劇という芸術ジャンルは作品のクレジットに役者や演出家だけでなく、関係者がずらりと並ぶのは好感が持てる。このことは演劇がスポットライトを浴びる役者や演出家だけでなく音響、照明、大道具、衣装、制作、広報から切符きりとありとあらゆる人によって成り立っている総合芸術だと理解させてくれる。

 総合力が試される演劇で縁の下の力持ちながら、出来不出来に重要な役割を担っているのが舞台美術を手がける者だろう。リアルに作り込むにしろ、抽象的な表現にするにせよ、舞台の善し悪しに多大な影響をあたえるのが舞台美術である。高度なスキルが要求されるのは容易に想像できる。しかも予算というやっかいなものが前提なだけにバランス感覚も必要となる。だが、大きな商業劇団ならいざ知らずローカルの市民劇団では専門的な舞台美術家など望むべきもない。

 しかし、そのようなローカル演劇界であっても目を懲らせばポテンシャルを持った人材はいるものである。今年見たいくつかの舞台(劇団渡辺「幸せ最高ありがとうマジで」も力作であった)で印象的な舞台セットを作っていた、たけだこうじ氏はその筆頭ではないだろうか。予算の厳しい市民劇団であってあれだけの舞台を完成させるセンスに感服する。ボランティア同然に取り組んでいるのは、創作への情熱以外のなにものでもないだろう。

 そのたけだこうじ氏が舞台美術をコンセプトにしたイベントを開催する。いつも縁の下の力持ちだけど、こうしてスポットライトを浴びることは賛成だ。その資格は充分にある。

『たけだこうじ』のテーマパークその1地獄篇
日時:9月16日(日)11時〜22時
   9月17日(月・祝)11時〜18時
会場:アトリエみるめ
入園料:前売り1,000円 当日1,200円 学生以下500円
    (ワンドリンク+パンフレット+粗品の3点付き)


くわしくは、アトリエみるめHP、または、facebookページへ。


テーマパークその1地獄篇

注記
2012/09/17 00:30 推敲した結果、一部文章を削除しました。




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Posted by 柚木康裕 at 17:35│Comments(0)演劇・ダンス
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