2009年01月13日
寒中見舞い

今年もあけまして早くも12日が過ぎました。
早々におめでとうを言わなければと思いながらも
昨年の「私(マイ)風景」展ご高覧のお礼状も遅々として進まず
今更ながらこの体たらくでございます。
松の内も過ぎたとか過ぎないとか
とりあえず寒中見舞いを申し上げまして年頭のご挨拶とさせて頂きます。
新年の抱負はもっとアートざんまい出来ますように、と。
当ブログで良い暇つぶしが出来たと言われるように精進してまいります。
今年もアートワールドはすっかり動き出しています。
僕はようやく始動といった具合。
先週末の土曜日は神楽坂のart@agnesと馬喰町の杉浦慶太さんの個展のオープニングに出掛けました。とても良い作品と出会えたり、思いがけない人と話しが出来たりで新年早々充実した1日となりました。アートって人と人を繋がる力を本当に持っているなって再確認。すっかりやる気が漲ってきました。(基本単純なので。笑)
でも、感じたのはまだまだ情報収集が足りないなってこと。意識していれば知れたことを知らなかったってことは情熱が足りないってことですよ。でも新年早々良い教訓。今年も積極的に学んでいかなくては。

ちょっと残念。
ホテルの1室をコンテンポラリーギャラリーに見立てるというのは大きなアートフェアとはまた違う楽しみが確かにありましたから。
狭くて少し見にくいけど、ホテルの雰囲気は良いし、一度にたくさんのギャラリーの作品が見えたり、人数制限のおかげでガヤガヤせずに割と静かに観れるのが気に入ってたのですが。こうした動き自体は続いていくようなので今後も期待。
それにしても今年は新しいギャラリーが多かったように感じます。オープンしてから数年というところが数件あったのでは。現代アートがブームなのがこんなこととでも感じます。
もちろん東京の現代アートシーンを引っぱっている有名ギャラリーも多く参加していました。有名ギャラリーの作品は確かに魅力的な作品が多いのですが、値段もそれなりなのでまったく購入対象にはなりません。買えもしないで見るだけなんて一見寂しげですが、逆に開き直って作品と向かえ合えるので鑑賞するには良いのかもしれません。美術館で観ると違ってギャラリーだと欲しいって思っちゃうと鑑賞どころではなくなりますから。まったく目が曇ってしまうというか何と言うか。作品の迫力でドキドキするのではなく、買うかどうかでドキドキしちゃって・・。(まったく未熟者です。笑)
まあ、でもそんなこともアートを見るための良い勉強ですけど。様々な見方があって然るべき。買えば買ったで穴が開く程観れるのでどんどん新しい発見も出来ますし。

art@agnesでは3回目にして初めて作品を購入しました。
前2回は欲しい作品はあるけど購入まで至らず、図録のような関連本などを買う程度でした。
それが今回はドローイングの小品を購入。
身の丈にあった価格でしたので、それほどドキドキせずに購入。(笑)
基本的に作品って1点物だから、やっぱり出会いなのです。
その時を逃したらいつ会えるか分からないっていう感じで。
出会えたらその価格は自分にとって妥当かどうかを判断。
ここが一番難しいところ。
標準小売価格のないアート作品。その価値を認めるのは自分自身。
誰も教えてくれない価格を認めることの困難。それがアートを買うことを決定的に難しくしています。
たとえば洋服に数万円払えるのは皆が同じ洋服を同じ金額で支払っている安心感が購入を後押ししています。(マスメディアに価値以上の価格を刷り込まれているとしても)価値自体は共有しているのです。ではこんな場合はどうでしょうか。たとえばバーゲンが始まる前日でも定価でその品物を購入するでしょうか。当然ですが明日になれば数十パーセントかの値引きで購入出来るのにわざわざ定価で購入はしません。これは得をしたいということだけでなく、価値のばらつきが起きていることも購入を控える原因なのではないでしょうか。つまり自分自身でこの価値を決めることが困難な状態なのです。それまで定価で販売していたということはその価値を皆が認めていたのにプライスダウンの宣伝によってその洋服そのものの価値が揺らぎ出してしまっています。定価が存在しているのに価値を共有しきれない状態。
アート作品というのは1点物を前提にしていて、この価値の共有がもともと持ちにくいために、常にこの共有しきれない状態にあるように感じます。
価格に対しての積極的な肯定がなければ作品の購入には至りませんし、それを判断するのは自分自身でしかありません。自分を信じるしかないのです。(世の中の買い物でこれほど過酷なものはあるでしょうか?)
それ故に購入した後は、好きな作品を手に入れた喜びや作家を応援しているという自負と同時に、価値を認めることが出来た自分自身への深い満足があるのです。
「偉いぞ、オレ!」みたいな。(笑)
これは金額の大小ではありません。たとえ千円でも作品を購入するということの難しさと素晴らしさ。鑑賞するだけでないアートの楽しみがそこにはあります。
良い出会いのあった3回目のart@agnesでした。
ちょっと長くなってきましたので最後にサクッ(?)と年頭所感な感じで。
新聞などメディアには「不景気」の文字が踊り、何となく下向きにならないといけないような雰囲気が広まりつつあります。そんな時こそクリエイティビティ溢れるアートの出番のような気がします。強度ある作品は世間に影響を与えることはあっても、世間にすり寄ることはありません。アートを見つめることは表層に惑わされずに世界を見つめることに通じるように感じます。

勝手な予想ですが今年はさらに芸術/アートの出番が商業、教育ともに増えていくのではないでしょうか。
混沌こそがアートの真骨頂。だとすれば現代のすべてはアートに凝縮されていると言ったら過言なのでしょうか。まさにアートの出番がやってきたように感じます。
現在アート指向が高まっているのはマネーゲーム的であったり、マーケティング的であったりするのは事実でしょう。たとえそうだとしても価値の押しつけを強要する現代の大量消費社会にあって価値の定まらないアートに目が向いていることは興味深い。共有やコミュニケーション流行りの中でコンセンサスを取りにくいアートが注目されるのに面白さを感じます。もしかしたらそれぞれの個(無意識とも言うのかも)というものが積極的に動き出そうとしている合図かもしれません。
さてさて今年はどんな一年になりますか。
ネガティヴな要素が多いのも事実でタフな一年になるでしょう。
それにしても病は気からと言いますので、気の持ちかたが至って肝心。
景気とは気が立ち上っている景色だと聞いたことがあります。
みんなのやる気が立ち上っている風景こそ、景気らしいですよ。
どんな状況でも自らが気を立ち上らせるようなタフさを身に付けるようになりたいものです。
When the going gets tough,
the tough get going.
波多野里香展
画集「持塚三樹 Sun Day」
風景美術館でかんがえたこと
持塚三樹展 Sun Day @ヴァンジ彫刻庭園美術館
佐藤浩司郎「DISTORTION」@Gallery PSYS
清水現代アート研究会Vol.5
画集「持塚三樹 Sun Day」
風景美術館でかんがえたこと
持塚三樹展 Sun Day @ヴァンジ彫刻庭園美術館
佐藤浩司郎「DISTORTION」@Gallery PSYS
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Posted by 柚木康裕 at 16:14│Comments(0)
│アート・美術