2012年04月12日

森村泰昌モリエンナーレ まねぶ美術史

 日中静岡市街地に出掛ける用事があったのでその足で静岡市美で開催中の「森村泰昌モリエンナーレ まねぶ美術史」展に立ち寄る。

森村泰昌モリエンナーレ まねぶ美術史

 2年に一度の国際展をビエンナーレと呼ぶ。3年に一度ならトリエンナーレ。モリエンナーレは45年に一度?

 図録の本人あとがきに「10代半ばから始まった約45年間の私自身の美術体験が盛り込まれている」と書かれている。まさに若さがほとばしる作品から出世作女優シリーズや近作の電気服まで森村の長きにわたる美術史を追体験できる展覧会である。51人の作家の作品と平行して展示される森村の作品はどれも鋭い観察眼を感じずにはいられない。展覧会タイトルにもなっている「まねぶ」とは、けっして単純なまねでないことは明らかである。美術史に輝く作家達を師として仰ぎながらも、けっして模倣になっていないことに感心する。それは作品の本質を観ようとする態度があるからこそ可能なのだろう。きっと森村は観る人でもある。まねて学ぶにはまず観なければ始まらない。その行為の強度は若いときから一貫している。デッサンはへたくそ(本人談)だろうが美術家にもっとも必要なセンスを持っていたことは明らかである。

 観るということを再考する機会になった。まだまだ熱中が足りないと自省するほかない。


[展覧会情報]
展覧会名:森村泰昌モリエンナーレ まねぶ美術史
場  所:静岡市美術館
会  期:2012年4月7日(土)〜6月10日(日)*休館日月曜
公式HP:森村泰昌モリエンナーレ まねぶ美術史


各日曜日にはドキュメンタリー上映会もあるので機会を見つけてまた出掛けてみたい。



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Posted by 柚木康裕 at 23:50│Comments(0)アート・美術
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